江戸時代の旅にはどれぐらいの費用がかかったのか? | パパ覚

江戸時代の旅にはどれぐらいの費用がかかったのか?

テレビをみていると 湯快リゾートが今人気みたいですね。


あぁ、温泉いきたい・・・・


さて、今回は旅行がテーマです。


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江戸時代の文芸で有名なものの一つに、弥次さん・喜多さんが珍道中を繰り広げる「東海道中膝栗毛」というのがあります。


この2人は物語の登場人物なんですが、この本が出版された頃から一般庶民の間でも旅を楽しむ人々が増えてきたようです。


彼らの目的は寺社への参拝だとはいえ、知らない土地の珍しい風物に触れることができるため物見遊山も兼ねていました。


なかでも、とりわけ人気が高かったのが「お伊勢参り」で、本の通り弥次さん・喜多さんと同じ東海道を行くコースだったようです。


ところで この東海道の旅なんですが、一日の路銀(旅費)はいったいいくらぐらい必要だったのでしょうか。


道中で一番大きな割合を占めていたのは、宿代です。


一泊2食つきの旅籠だと、平均で150~200文ぐらいの料金が相場だったようです。


もちろん一日に払うのは宿代だけというわけにはいきません。


旅籠によっては出立する日に弁当を持たせてくれるところもあったようで、それがなければ昼食代が必要でしょうし、途中で休憩すれば茶代もかかります。


移動手段は基本的に徒歩ですから、途中でわらじも買い替えなければならないないでしょう。


また、今では少なくなったかもしれませんが、宿に泊まれば多少の心づけ(おひねり)を支払うこともあります。


こうした諸々の雑費までを含めると一日に400~600文程度が必要だったそうです。


現代のお金に換算すれば、およそ 8000~1万5000円ぐらいですね。


ところで、これは平旅籠と呼ばれる普通の宿屋に泊った場合の話。


昔の宿には、下働きをしながら夜のお相手もしてくれる女性を抱えている、いわゆる飯盛旅籠というのがあり、女性を呼んだ料金は別に支払うことになっていました。


前回から何度か「庶民」というキーワードがでていますのでこのあたりを次回のテーマにと思います。

時代劇でよく見る庶民といえば・・・・ と、いうことで。


次回は、江戸時代の長屋の家賃っていくらぐらい? で。


では、また♪



追記) 東海道中膝栗毛 作者:十返舎一九(じっぺんしゃいっく)

滑稽本(江戸時代後期の笑いを主眼とした小説ジャンル)。

享和二(一八〇二)年から文政五(一八二二)年にかけて刊行。

別名『道中膝栗毛』。

弥次郎兵衛、喜多八の二人連れが、失敗を繰り返しながら東海道を上り、伊勢神宮参拝を果たして、京都、大坂に到る道中記。

続編では四国、中国に渡り、善光寺を経て江戸へ帰り着く。